日本医療福祉学会の2013年度全国学術会議が、都内の立教大学で開かれました。セッションの一つで座長を務めさせていただきました。

 初めは、岩田智先生(岩手県立大学)による「少子化対策としての婚活イベントに関する研究-岩手県の実例-」。 岩田先生は、日本の少子化の原因として「そもそも結婚しない人が増えている」ことを重視すべきとのお考えでした。日本では男女交際が不活発で「そもそも相手がいなければ子どもが産まれるわけがな」く、また、婚外子率が50%を超える北欧などとは異なり日本では2%未満です。これらのことから、日本の少子化は主に非婚率上昇によるものであり、政府が主に実施している「既に結婚している夫婦に対する少子化対策」は効果が薄いとの認識を示しました。 岩手県は「未婚男女の出会いの場創出助成事業」として、企業やNPOなどが行う男女に出会いの機会を与えるイベント開催などの事業に助成をしており、岩田先生が関わっている団体も助成を受けてこのようなイベントを行い、参加者同士が結婚した例もあるとのことです。しかし、岩手県のこの事業全体としては、結婚まで至った例は少ないとのことでした。 男女に限らず、周囲の人々との関係性をいかに築いていくかという訓練が今、人々に必要とされていると社会学者の宮台真司先生がおっしゃっているのをラジオで聴いたことがありますが、そのことが思い出されました。

 次に、宮城大学の齋藤和代先生による「東日本大震災被災地「気仙沼」の震災から現在まで」。 震災で被害を受けた事業者に対する、事業用施設の復旧・整備支援に対する支援策の内容と、宮城県気仙沼市などにおける実施状況、課題についてご発表されました。 津波被害を受けた地区で盛り土・かさ上げを行う場合の都市計画(土地区画整理事業)が、関係者の意見の違いなどからなかなか進まないことや、都市計画についての情報が早期に市民へ開示されないことが、一つのネックになっているとのことでした。 震災から2年たつのにそのような状況であることに対する当事者の方々の気持ちを考えると、暗澹といたします。

 最後に、城西大学の水野加寿先生による「大学連携地域活性化支援事業における社会福祉健康文化ICF社会科モデルのシステム化について 坂戸市・城西大学共同プロジェクト「水中リハビリ運動教室」」。 高齢者、障害者などの身体的弱者でも水中では浮力によって体を動かしやすいことから、水中リハビリによって、健康増進が図れることを実証したご発表でした。 水野先生は今後の課題として、疾患・障害の種類ごとに、どのような水中運動が適しているのか、それぞれ関連を明らかにしていくことを挙げました。また、水中リハビリを普及していくために、行政や民間、NPOなどあらゆる方々に関わってほしいと、おっしゃっていました。